2014/11/9 (日) 11:30 みやざき読書フォーラム

勉強になったので、個人的要約を残します。(意訳あり。)
ちなみに記録はL-04Cでメモを取り、Nexus7で仕上げています。操作性はやっぱりPCの方が上だと感じます。

●講話 慶応大学 糸賀教授
・マスメディアの情報は必ずバイアスがかかっているので、きちんと検証をすることが必要。そのために図書館を利用することは有用。いろいろな情報に当たることが大切。
・図書館はパブリックドメインにおかれたものを公開している。情報公開は請求が必要。
・情報公開制度と図書館制度は民主主義を支える車の両輪である。
社会教育施設はマスコミに取り上げられて話題になると、全国的に変化が出てくる。例:旭山動物園
社会教育施設で一番利用が多いのは、図書館。国民の約半数が利用している。
・全国一は鳥取県立図書館、2位:東京都立、3位:岡山県
・宮崎県立図書館は全国的にはほとんど注目されていない。今後のPRについては、検討していく必要あり。
・図書館はもっとも身近に感じられている公共施設である。

●糸賀教授への質問
・職員の専門性。司書の資質の問題。
→一番の課題は、文学部・教育学部に図書館研究があること。図書館は様々な分野と連携してこそ真価が発揮される。そのような意識で取り組むことが出来る人材育成が必要。欧米の場合は、司書は大学院でしかとれない。

・県立図書館の役割は。
→県内図書館の振興。目の前の利用者だけではない。

・図書館学をもっと世間一般に知らしめる必要がある。
→なかなか難しい。なによりも図書館を利用してもらうことが大切。

・県と市町村の図書館がうまく連携しているところ。
鳥取、滋賀

鳥取は資料費1億円。岡山も1億円。浦安市でも1億円。お金がないと市町村との連携もうまくいかない。

・全国的には、資金調達に新しい取組がはじまっている。ファンドレイジング。ふるさと納税の使途メニューに図書館資料費があるところもある。

・地元企業のスポンサー制度。福岡は歯医者さんが寄贈している。継続性の問題はある。友の会制度の活用など。

・宮崎県立図書館は、岐阜県の県立図書館と雰囲気が似ている。

・県民全体の図書館利用、読書量が評価の軸になる。→県立図書館の評価。

・政治家が図書館の重要性に興味を持ってもらうこと。

(午後の部)2014/11/9 (日) 13:01

●慶応大学 片山教授(元鳥取県知事) 講演
・「最適解を見つける」は、いい言葉。
・図書館は司書の人材が重要である。
・知の地域づくりとして、国立大学や公立試験研究機関の技術開発が重要である。
・図書館は知のデータベースが重要である。蔵書は大切である。地域の情報は図書館に保存して欲しい。合併などの際には行政資料が散逸するので、県の公文書館や図書館、博物館が収集保管しておかなければならない。
・司書は、ストックされた図書館のデータベースに対する水先案内人、ナビゲーター。
・子どもへの読書指導は、家庭での読書体験、学校図書館の充実が大切。今の学校図書館の問題は、人(司書)がいない、人がいても中途半端になっている。調べる力は学校図書館で育まれる。
・小学校の英語教育は、誰が教えるのかという問題が解決されていないのに、取り組もうという空気が盛り上がっている。環境の整備がますは必要である。
・図書館の問題は、地方自治の欠陥と共通している。利用者意見の反映の少なさ、人(司書)の配置など。

トークセッション
・財源がないときは、税率を上げるという方法がある。住民の理解を得て3年間限定で税率を上げる、というようなこともできる(図書館の充実のために)。税を通じて、図書館に関する議論を巻き起こすことも出来る。

・図書館だから本を読むだけということもない。いろいろな催しをやってもよい。

・図書館には人(司書)が大事。司書とはなんだ、学校の先生がやればいいという意見が多かった。理解してもらおうという取り組みが必要。

・「地方自治は民主主義の学校」である。アメリカの統治の原点は、陪審制度、自由な結社、地方自治

・心の支えとして読書がある。詩集とか歌集などもよい。勇気づけられる文章を持っておくと心の支えになる。

・読書は想像力を育む。抽象的な概念を頭の中で考えていくことが大切。相手に対する思いやりにつながっていく。また、表現力も育てていく。相手の立場にたって考えることができるようになる。本を読まない若者に語彙が少ないことが見られる。

・本が身近にあることが大切。ただし、世間のみんなが本を読んでいるわけではない。

・本を読むことは、喜びそのもの。自己理解に達することができるのが本である。調べていろいろなことがわかっていくということも大切。親が何でも教えるのではなく、自分で調べてごらんということが大切。

・子どもは本来、本が好きである。大人が本を読んでいないので子どもが本を読まないのである。大人の意識改革が必要である。